地方財政調整制度の歴史について

現在の地方交付税交付金とは、戦前にあった地方配付税と戦後の地方財政平衡交付金の良い所を取った制度と言われている。

 

地方配付税とは、国税所得税法人税・入場税及び遊興飲食税)の一定割合を地方の取り分として、地方の財政を調整することを目的として、地方に配付されるものである。

 

一方、地方財政平衡交付金は標準的な行政経費を積み上げていって、地方の収入では足りない分を国が交付するものとなっている。この制度は戦後のシャウプ勧告によって実現されたもので、理想的な制度と言われていたが、総額を巡って旧自治庁と旧大蔵省が毎年争い疲弊しきっていたため、わずか5年足らずで地方交付税に改正された。

 

この地方財政調整制度の歴史や変遷については、小西砂千夫氏や石原信雄氏の著書を読むと色々なドラマがあって面白く、色々な人の知恵が凝縮されたものであることがよく分かる。