読書感想文

地方交付税を考える 黒田武一郎著 ぎょうせい

を読んでいる。

 

 黒田先生は、現在も事務次官として働いていらっしゃる方で、地方交付税を運営する者として、 地方交付税への批判を真摯に受け止めながら、客観的にこの制度について解説をしている。そして、文体がとても柔らかくわかりやすいため、制度への理解が進む。小西砂千夫先生の本も読みやすいと思ったが、それよりもわかりやすいように感じる。

 

 地方交付税は時代によっていろいろと変化しているが、主に国の基幹税3税(所得税法人税、酒税)+αの一定割合を、地方の財源保障及び偏在財源調整のために分配している制度です。それぞれの税の割合がバラバラで何故このような割合になったのか不思議に思っていたのですが、それぞれが地方交付税の財源となった時代背景により、必要となった地方財源を補うために導入された当時の割合で決まっており、国税は巨額なため割合を揃えようとすれば、何十億という金額が変わるため、簡単に割合を揃えることはできないということが分かりました。

 また、財源不足の国と地方の折半ルールが自分の中でなかなか消化不良になっていたところですが、これが国は特例加算として地方は臨時財政対策債で折半するということだと書かれている部分があり、自分は国の折半分も勝手に臨時財政対策債分だと思っていたのが誤解だということが分かった。

 

また、新たに得た知見をここに記していきたいと思いました。